魔法先生ネギま!12巻感想、単行本と連載どちらがよいか。

魔法先生ネギま!12巻が発売されました。感想は全話連載時に書いているので、その他の部分を。


まず表紙。大会本戦出場者の記念写真撮影といったところでしょう。古菲の服や楓の傷を見ると大会終了後。ポチ、山下、中村もちゃんといるものの、凄く不遇な扱い…。背表紙は朝倉和美、裏表紙は長谷川千雨。裏表紙の千雨が猛烈にかわいいです。次巻は美空か?。

オマケページは3D背景の作り方が良い。小太郎屋根も下水道も3Dであることは判断できても、それをあくまで線画として使っているのが素晴らしく、CG技術に溺れず(?)ちゃんとそこから手をかける事で、下水道っぽい質感になっていることがわかります。PS2ゲームなどでこの背景作るならポリゴン数はこの数百分の一で、質感や細かい部品や立体感は結局上に張るつけるテクスチャーの絵でごまかすことになる。漫画でもゲームでも、そういうところに手をかけないとそれぞれの目的にあった絵にならないのは同じです。


用語説明注目点の一つは黒衣の夜想曲解説で、修学旅行時のエヴァは麻帆良から京都までを転移魔法で移動したということが明示されたこと。また、魔女狩りや白烏などの用語説明はよいと思います。


内容は全編バトル。が、まとめてみるとそれ以上に千雨急接近編とでも言うべき内容で、要所要所で無駄ゴマ無しの活躍をしています。また一箇所で武道会をしつつ、各所で世界観を徐々に広げ、明確にしていっているあたりなど、上手いと思います。バトルで大ゴマ多用してもなお、凄まじい情報量で読むのに時間がかかります。



ネギま!は連載でもコミックでもどちらでも面白い漫画だと思うのですが、個人的には連載チェックもしておくことをオススメします。例えば今更ですが6巻後半辺りの話など、初見なら連載で読んでいるとコミックスのときの数十倍の緊迫感の違いあると思います。実際いままでであんなに一週間が待ち遠しかったことはなかった。また、今巻の浮雲・旋風一閃!!!など、連載時には紙面の大きさもあり受ける迫力が大きく違います。

コミックはコミックで、まとめてみることで新たな発見や見逃していた部分が出てきたり、オマケが良かったり、展開によりスピード感が出たりで良い面があります。また、唐突に思える部分が、前を見返してみると密かに伏線がはってあったりするのも面白く、新刊が出るたびにコミックを全巻まとめて読み返すのがまた面白い。そういう意味ではファイブスター物語の楽しみ方にも似ています。しかし毎話ごと、コミックごとにちゃんと区切りをつけつつ惹きを持つ終わり方をしているのは凄い。


最近のワンピースなどはコミックスの方が面白い漫画だと思います。ワンピースは最近伏線の張り方がより長大になっており、それがもっとも顕著に出ていた(人気が低い)空島編はコミック単位どころか、空島編全部含めて見ることで、ようやく見事すぎる伏線消化とともに頷ける作品になっていると思います。

最近のネギま!も伏線が多いものの、短期的なものと中長期的と思われるもののバランスが良く、良い感じに推移していると思いますが、それらがどのように解決されるのかが楽しみです。


魔法先生ネギま!(12) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(12) (講談社コミックス)